従来の医療の課題

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薬や装具、リハビリの限界

脳性麻痺やPVLのように、脳に障がいを伴う病気を治す薬は、現時点ではありません。
成人の脳梗塞とは異なり、子どもの場合、脳の画像診断の結果もあてになりません。
(そのため、もし画像診断の結果が悪かったとしても、気にする必要はありません!)

また、日常生活において多くの患者さんがお困りなのは、脳神経系の障がいからくる、筋緊張や側弯、変形、嚥下困難といった二次障がいです。
側弯がひどくなると内臓を圧迫して大手術が必要になったり、飲み込みが上手にできないと、誤嚥性肺炎で最悪の場合亡くなってしまうこともあるからです。
こうした二次障がいに対して、従来の医療で出来ることは限られていました。

 

側弯

リハビリの前に必要なこと

障がいのせいで学習できない

障がいの有無に関わらず、生まれたての赤ちゃんの脳には、まだ体を動かすためのプログラムがほとんど作られていません。
人間の赤ちゃんは、どの動物よりも未熟な状態で生まれてくるのです。
ですが、お腹の外に出てきた赤ちゃんは驚異的なスピードで学習し、脳が一気に発達します。
その結果、短期間で色んなことができるようになるのです。

ところが…

脳に障がいのある子どもたちの場合、この脳の学習がうまくいきません。
その理由は、刺激をうまく感じとれないからです。
脳神経系の障がいの影響で、筋肉や関節内などのセンサー(刺激を感じ取る部位)がうまく働いていないのです。
そのため、そもそも自分の体がどこからどこまでか分かっていなかったり、自分の体が今どうなっているのかも分かっていない状態になっています。

 

脳の学習サイクル

発達には順番がある

こうした状況の子どもたちに、リハビリとして動作を覚えさせようとしても、学習することは困難です。
それどころか、筋肉を緊張させたまま体を動かす、といった誤ったパターンを学習してしまったり、うまく体を動かせない、といった失敗の経験ばかりを学習してしまいます。

ですから、動作・運動のリハビリをする前に、まず子どもたちがしっかり刺激を感じ取れるよう、感覚系を鍛える必要があります。
学習の歯車が回り出すように、感じ取れる体と脳に整えてあげることが大切なのです。